2025.09.09

学会報告|第27回日本褥瘡学会学術集会 in 横浜

皆さん、こんにちは。
初めて横浜の中華街を訪れました、あい駒形クリニックの高橋秀行です。

2025年8月29-30日に横浜市で開催された第27回日本褥瘡学会学術集会に参加してきましたので、ご報告いたします。

褥瘡学会への参加は、2023年2024年に引き続き3回目となります。
今年も褥瘡(じょくそう)の予防・治療に関する熱のこもった議論と最新の知見に触れる貴重な機会となりました。
また、昨年は私自ら発表を行いましたが、今年は共同演者として、当クリニックの看護師に発表してもらいました。

2025年問題を多職種で乗り越える

今年の褥瘡学会のテーマは「2025年問題を多職種で乗り越える」でした。

2025年問題とは、団塊の世代(1947〜49年生まれ)がすべて後期高齢者(75歳以上)となることにより、日本社会がこれまでにない超高齢化の局面を迎え、医療・介護サービスの需要が爆発的に増加し、同時に担い手不足が一段と深刻化することで生じる複合的な課題を指します。
褥瘡の分野でも、2025年問題により在宅高齢者の増加とケアの担い手不足が重なり、予防・対応が困難となるケースが今後増加することが懸念されています。

第27回日本褥瘡学会学術集会の様子

褥瘡は、防げる病気です。

そして褥瘡の予防には、医療だけでなく介護や社会福祉など様々なサービスが連携することが鍵となります。
2025年問題が深刻化し医療・介護従事者が不足する中でいかに褥瘡を予防し、重症化を防ぎ、治療するか。
医療・介護システムの大幅な変革が必要なのは言うまでもありませんが、効率的かつ質の高いケアを維持するために「多職種で乗り越える」ことの大切さを、改めて実感した今年の褥瘡学会でした。

プログラムは毎年多岐に渡りますが、今年は

・多職種連携の仕組みづくり:医師・看護師・リハビリ・薬剤師・栄養士・ケアマネなどの役割が明確化され、チームとして機能する枠組みの整備。
・技術とケアの融合:ロボット機器や体圧分散用具など、技術的支援によるケア負担の軽減。
・予防重視のアプローチ:栄養管理・スキンケア・ポジショニングによる褥瘡予防の定着。
・地域包括ケアとの連携強化:在宅ケアと医療機関の橋渡し、地域でのケアネットワークの構築。
・長期的視点の戦略構築:2040年を見据えた政策・教育・資源配分の設計。

等のトピックが印象的でした。

特に、病院完結型から地域完結型、すなわち入院治療から在宅・施設・地域の連携による“支える医療”へのシフトが加速する中で、褥瘡の予防・治療において我々プライマリ・ケア医に求められる役割も増しています。
褥瘡は「在宅では治せない」ではなく「在宅だから予防できる、治せる」と胸を張って言えるよう、診療のボトムアップと多職種連携を一層加速させてゆきたいと思います。

体圧分散用具の迅速な導入が出来ず治療に難渋した若年褥瘡患者の1例

最初に書いたように、今回当クリニックからは「体圧分散用具の迅速な導入が出来ず治療に難渋した若年褥瘡患者の1例」と題し、創傷チームに所属するK看護師が発表を行いました。

我が国では、特定疾病により要介護(要支援)状態となった40歳以上の医療保険加入者であれば、介護保険サービスの給付を受けることが出来ます。

一方40歳未満の場合、介護保険を用いた介護用ベッドやマットレスのレンタルが出来ないため、身体障害者手帳や療育手帳等を持っている方向けの日常生活用具の給付を受けることとなりますが、あくまでレンタルではない給付のため、費用負担が大きい場合があります。

本発表では、介護保険の給付を受けられない若年者の在宅療養中に発生した褥瘡に対し、体圧分散用具(マットレス)の導入を迅速に導入することが出来なかった経験について発表を行いました。
当クリニックの患者さんのほとんどは40歳以上であり若年者の褥瘡に対応することは非常に少ないため、今回のケースで学んだことを今後に活かしてゆきたいと思います。

学会では、先日当クリニックの耳鼻科往診を見学に来てくださった、わっしょいクリニックの船田先生とも偶然お会いすることが出来ました。
当クリニックのポスターも見てくださっていて、当クリニックで行っている訪問褥瘡手術についてご質問を頂けました。
今後も耳鼻科だけでなく幅広い分野で情報交換させて頂きたいと思います。

横浜といえば「中華街」

さて、今回の学会は横浜ということで、学会に参加したクリニックのメンバーで中華街へ繰り出しました。
北京ダックなどの本格中華料理に舌鼓を打ちながら、当クリニックにおける褥瘡診療の今後について活発な議論を行いました。

一人だとコンビニで食事を済ませてしまう私ですが、おかげで仲間たちと楽しい時間を過ごすことが出来ました。

参加・発表での学びを日々の診療に活かしてゆきます

今回の褥瘡学会で、2025年の学会参加は一段落です。
参加・発表を通じて学んだことをスタッフへ共有し、日々の診療に活かしていけるよう、これからも努力してゆきたいと思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

髙橋 秀行
この記事の執筆者
あい駒形クリニック 副院長

髙橋 秀行 (たかはし ひでゆき)

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