皆さん、こんにちは。
8月は夏休みを頂いてリフレッシュして来ました、あい駒形クリニックの高橋秀行です。
前回までの記事で、点滴のお話、頭頸部がんのお話に触れる中で、何度かアドバンス・ケア・プランニング(ACP)について言及しました。
今回は、そのACPについてもう少し掘り下げてお話したいと思います。
ACPとは?
ACPとは「将来の医療やケアについて、自分の希望をあらかじめ考え、家族や医療者と話し合っておくプロセス」のことです。
直訳すると「事前のケア計画」。欧米では「Advance Care Planning」として広く普及しています。
人は誰しも病気や老いにより、自分の意思を伝えることが難しくなる時が訪れます。
その時に備え、自分がどのような医療を望むのか、どこでどのように過ごしたいのかを、元気なうちに話し合っておくことは、とても大切なことです。
具体的にはどんな内容を話し合うの?

ACPで話し合う内容は人それぞれですが、よくあるテーマは次のようなものです。
- 病気が進行したとき、延命治療(人工呼吸器・点滴・経管栄養など)を望むか
- 最期を迎える場所(自宅・病院・施設)についてどう考えるか
- 苦痛を和らげるための治療を優先するのか、それとも積極的な延命治療を希望するのか
- もし自分が意思を伝えられなくなった場合、誰に判断を託すか
こうしたことを早めに話し合っておくことで、ご本人の思いが尊重されるだけでなく、ご家族の迷いや後悔も少なくなります。
ACPは一度決めたら終わりではありません
ACPは「一度決めたら終わり」ではなく、繰り返し見直すことが大切です。
体調や生活環境、価値観は時間とともに変化します。
例えば、「できるだけ延命してほしい」と思っていた方が、病気が進行するにつれて「苦しまないことを優先したい」と考えが変わることもあります。
ACPはその時々の自分の思いを反映させるプロセスであり、ご家族や医療者を交えながら、何度でも話し合って良いのです。
在宅医療におけるACPの意義
在宅医療では、病院のようにすぐ検査や治療ができる環境ではありません。
だからこそ、どのような医療をどこまで受けるのかを事前に決めておくことは非常に重要です。
例えば、
- 食べられなくなった時に点滴を続けるかどうか
- 呼吸が苦しくなった時に救急搬送するのか、自宅で見守るのか
これらの選択は、ACPがあるかどうかで大きく変わります。
当クリニックでのACPの取り組み
あい駒形クリニックでは、訪問診療の中で患者さんやご家族とACPについてお話しする機会を大切にしています。
特に病状が進行している方や、高齢で体力が落ちてきている方には、今後どのように過ごしたいかを一緒に考える時間を設けています。
ACPは決して「縁起でもない話」ではなく、より自分らしく生きるための大切な準備です。
ACPは自分の意思を形にする大切なプロセスです
ACPは、将来の医療について自分の意思を形にするための大切なプロセスです。
ご本人の思いを尊重し、ご家族の不安を和らげるためにも、元気なうちに話し合いを始めてみてください。
私たちあい駒形クリニックは、これからも患者さん一人ひとりの「想い」に寄り添いながら、在宅医療を実践してまいります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。




