2023.10.04

学会報告|第25回日本褥瘡学会学術集会

皆さん、こんにちは。

三度の飯より猫が好き、あい駒形クリニックの高橋秀行です。

2023年9月1日〜2日に神戸市で開催された第25回日本褥瘡学会学術集会に参加してきました。

研修医の頃に形成外科研修で褥瘡治療の基礎を学んで以降、訪問診療に携わるまで、褥瘡を診療する機会がほとんどなかった私にとって、本学会への参加は非常に有意義な経験となりました。

せっかくですので、学会参加で学んだ内容について、ブログの場を借りて少しご紹介したいと思います。

2日間にわたり開催された本学会には、医師だけでなく褥瘡診療に関わる様々な職種の方が参加されていました。

耳鼻科関連学会の場合、スーツに身を固めた医師以外の職種の方はほとんど参加されないのですが、本当にたくさんの職種の方が比較的ラフな服装で参加されており、私の知る学会の雰囲気とは全く異なっていたのがとても印象的でした。

また、扱われる話題も非常に多岐に渡っていました。主な話題を挙げると、

・新型コロナウイルス感染症

・在宅医療、地域包括医療

・肥満、糖尿病

・栄養

・DESIGN-R(褥瘡の評価指標)

・リハビリテーション

・外用薬

に関するセッションが多く、特にコロナ関連のセッションと在宅医療に関するセッションは多かったように思います。

コロナ関連のセッションでは、新型コロナウイルス感染症により褥瘡治療も少なからず影響を受けているということを再認識いたしました。

感染者に対して十分な訪問回数を確保することが難しかったり、感染不安を理由に訪問を断られた結果として褥瘡が悪化してしまったり、PPE装備下での褥瘡処置で汗だくになったりと、在宅褥瘡医療の現場でも新型コロナウイルス感染症が様々な悩みや困難をもたらしていたということを学びました。

病院での褥瘡治療でも、感染対策を考慮したうえでの褥瘡処置の見直しや、在宅医療との共同体制の強化、DXツール導入の推進等、様々な取り組みが行われていたことを学びました。

また、高齢化に伴い在宅医療を受けられる患者さんが増えているのと同時に、在宅医療で褥瘡管理に難渋するケースも増えているのだと、改めて認識いたしました。

在宅医療では、褥瘡の治療のために非常に多くの職種が関わり、連携する必要があります。

我々訪問診療クリニックだけでなく、訪問看護、訪問リハビリ、ケアマネジャー、デイサービス等、多くの職種が知恵を出し合い、適切な装具を用意して組織の圧迫を予防し、適切な薬剤を処方し、適切な処置を行い、適切な移乗動作を行ってゆく必要があります。

こうしたことは長く褥瘡診療に関わっている方にとっては当たり前のことですが、私のように期間が浅い人間にとっては、様々な職種の方の様々なご意見やお話を直接お伺い出来たことは、大きな収穫だったと思います。

他にも肥満や糖尿病、亜鉛など、栄養に関連する話題や、褥瘡のデブリードマンなどの外科的な話題、褥瘡のドレッシング剤の話題、リハビリ等、褥瘡に関連する多様な話題が網羅されており、本当に勉強になった学会でした。

本学会で学んだことを日常診療に還元出来るよう、これからも精進してゆきたいと思います。

余談ですが、帰りの飛行機の中から三浦半島がよく見えました。

あの雲の下にあい逗子クリニックがあるのだなーと思うと、我々あい友会の輪が拡がっていることを心強く思うとともに、各拠点が共通のヴィジョンを持って切磋琢磨してゆかねばと、決意を新たにした次第です。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

髙橋 秀行
この記事の執筆者
あい駒形クリニック 医師

髙橋 秀行 (たかはし ひでゆき)

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