2024.03.19

耳鼻科往診|アレルギー性鼻炎のおはなし

皆さん、こんにちは。
まだスギ花粉症になったことがありません、あい駒形クリニックの高橋秀行です。
本シリーズでは、当クリニックの「耳鼻科往診」について、少し詳しくご説明してゆきたいと思います。
今日は、鼻の診察の続編で、アレルギー性鼻炎とスギ花粉症のお話です。

日本人にスギ花粉症の方が多いワケ

このブログを読んでいる方の中にも、スギ花粉症の方は多くいらっしゃると思います。
日本においてはアレルギー性鼻炎の大部分をスギ花粉症が占めており、日本人の約5割はアレルギー性鼻炎を有し、日本人の4割がスギ花粉症を有するという報告もあります。
スギ林は全国の森林の18%、国土の12%を占めています。
戦後の拡大造林政策によって、スギ・ヒノキの大規模な植林が行われたことで、スギ花粉の飛散量が大きく増加した結果、多くの日本人がスギ花粉症を発症したと考えられています。

スギ花粉症(アレルギー性鼻炎)とは

スギ花粉症は、スギ花粉によって生じるアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎等のアレルギー症状の総称です。
スギ以外にも、様々な季節性のアレルギーが存在します。
代表的なものでは、春から秋にかけて飛散するカモガヤ・オオアワガエリ等のイネ科の植物や、秋に飛散するキク科の植物などが挙げられます。
また、通年性のアレルギーといって、季節に関係なく年中続くアレルギーも存在します。
代表的なアレルゲン(アレルギーの原因物質)として、ハウスダスト(室内塵)やダニが挙げられます。
花粉症やアレルギー鼻炎で耳鼻科を受診される方の多くが1−3月に集中しており、スギ花粉症に悩む患者さんがいかに多いかを日々実感していますが、それ以外の季節にも様々なアレルゲンに対する症状で耳鼻科に通院されている方がいらっしゃいます。

季節性・通年性アレルギーの対策方法

このように多くの人々を悩ませている季節性・通年性のアレルギーに対し、どのような対策をすればよいのでしょうか。
アレルギー対策の大原則は、アレルゲンとの接触を避けることです。
花粉症であれば、外出時にマスクや帽子、メガネを着用する、帰宅時は花粉を衣服から払い落とす、うがいや洗顔、鼻うがいを行う等の対策が有効です。
通年性のアレルギーであれば、こまめに掃除機をかける、ロボット掃除機を設置する、空気清浄機を設置する、布団ではなくベッドを使用する、等の対策が有効です。

季節性・通年性アレルギーの治療方法

こうした対策を講じても、アレルゲンとの接触を完全に遮断するのは困難な場合、医療の出番となります。
季節性・通年性アレルギーの治療は、対症療法と根治治療があります。
対症療法は市販薬としても販売されている内服薬や、点鼻薬・点眼薬等の外用薬、症状を抑制する注射薬(季節性アレルギー性鼻炎のみ保険適応)等があります。
こうした対症療法は、症状がひどくなってから開始するより、症状が軽いうちに開始したほうが、効果が高いことがわかっています。

根治治療はアレルゲン免疫療法という治療で、以前は減感作療法と呼ばれていました。
現在一般的に行われているのは、1日1回、舌下部(舌の下)にアレルゲンエキスの錠剤を投与する、舌下免疫療法という方法です。
昔から行われていたアレルゲン注射による方法に比べてアナフィラキシー等の副作用のリスクが低く、外来治療で安全に行うことが出来ます。
最低でも3年、出来れば5年以上毎日続継続する必要があり、なかなか根気のいる治療ですが、アレルギー体質そのものを抑制することで、つらい症状が軽くなったり、対症療法薬の減量が期待できたりと多くのメリットがあります。

当クリニックではアレルギー診療にもしっかり取り組んでゆきます

当クリニックで訪問診療を行っている患者さんの中にも、季節性・通年性アレルギー症状に悩まれている方がいらっしゃいます。
当クリニックでアレルゲン免疫療法を行っている患者さんは現在いらっしゃいませんが、対症療法薬をご使用されている方は多くおられます。
アレルギー症状による日常生活の質の低下は大変つらいものですので、引き続きアレルギー診療にもしっかり取り組んでゆきたいと思います。

耳鼻科往診の解説シリーズ、今後も続けてゆきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

髙橋 秀行
この記事の執筆者
あい駒形クリニック 医師

髙橋 秀行 (たかはし ひでゆき)

院長ブログ

あい駒形クリニックの院長中村がブログをお届けします。

クリニックブログ

あい駒形クリニックのスタッフがブログをお届けします。

データで見る

あい友会の各種データをご覧いただけます。

実績紹介

あい駒形クリニックの診療実績をご紹介します。

メディア掲載

あい駒形クリニックのメディア掲載実績をご紹介します。

電話問い合わせ 問い合わせ