2024.01.30

あい駒形クリニックの訪問診療|DX時代の訪問診療

皆さん、こんにちは。
実は献血が趣味、あい駒形クリニック常勤医の高橋秀行です。
今日は、医療におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)と当クリニックにおけるDXの現状についてお話したいと思います。

電子カルテと私は同級生

私は2007年に医師となりました。
最初に覚えたのは、電子カルテの使い方です。
私の世代は、電子カルテしか使ったことのない初期の世代です。
私が学生実習をしていた頃はまだ紙カルテ+オーダリングシステム(点滴や内服の処方、検査の指示をパソコンで入力するシステム)という運用でした。
私が医師になったのと、電子カルテが医療現場に本格導入されたのは、ちょうど同時期だったのです。

オンプレミス型からクラウド型へ

それから16年が経ち、電子カルテに関する事情も大きく変わりました。
初期の電子カルテはオンプレミス型といって、院内サーバーに院内端末からアクセスする完全に閉じられたシステムでした。
しかし現在は、通信インフラとセキュリティ技術の発達に伴い、クラウド型の電子カルテシステムが数多く登場しています。

オンプレミス型の場合、インターネット回線とは別に院内に敷設された回線を通じて院内サーバーにアクセスするため、訪問診療のような院外での活動に用いることが原則出来ません。
一方で、クラウド型の場合は、インターネット回線を通じて院外のサーバーにアクセスするため、スマホやタブレット、パソコンを通じてどこからでもアクセスが可能です。
このため、訪問診療とクラウド型の電子カルテは非常に相性が良いだけでなく、高価なサーバーを院内に導入し保守点検するためのリソースが不要というメリットもあります。

一昔前は、インターネットを通じて患者さんの情報にアクセスすることのセキュリティリスクを考慮して、病院間に専用回線を敷設するような構想もあったと聞きますが、気付けばいつでもどこでもスマホで電子カルテを操作出来る時代になりました。
このような時代の変化の速さ、セキュリティ技術の進歩には驚くばかりです。

訪問診療アシスタントは、電子カルテから処方箋データを呼び出し、その場で印刷
スマートフォンを用いて電子カルテに入力、データを即時共有できる

あい友会と電子カルテ

そんなわけで、当クリニックでもクラウド型電子カルテをフル活用して訪問診療を行っています。
クラウド型電子カルテの長所として、ブラウザ上で動作するため専用のソフトウェアを用いる必要がなく、様々な端末やプラットフォームで使える点も挙げられます。
このため、院内や入居施設、往診車内では画面が大きく文字も打ちやすいパソコンを用い、個人宅への訪問時には携帯性に優れたスマホやタブレットを用いる、等の使い分けが可能です。
カルテの記載だけでなく、処方箋や検査の指示も端末上で完結するため、訪問した先で処方箋を印刷したり、処方箋のPDFデータを薬局に送ったりといった作業も可能となります。

あい友会とチャットシステム

また、電子カルテシステムと同じくらい大切なのが、情報伝達のためのチャットシステムです。
これも一昔前では考えられなかったことですが、今ではセキュリティの担保された様々な業務用チャットシステムや医療用チャットシステムがあります。
当クリニックでも複数のシステムを用いて、院内・法人内の情報伝達のみならず、入居施設や訪問看護ステーション、薬局等の連携施設と情報をやり取りしています。
こうしたシステムを効率的に利用することで、病院のように同じ建物内にいなくても、複数の職種が上手に連携して医療・介護を提供することが出来ています。

一方で、病院で働く医師からするとおそらく面食らうのが、チャットシステムを通じて絶えず入ってくる情報の多さです。
病院の場合は病棟や外来での対面でのコミュニケーションが主で、補助的に電話も用いますが、訪問診療の場合は、どうしても非対面でのコミュニケーションが中心となるため、チャットシステムの果たす役割はとても重要です。
入ってくる情報の中には、医師が確認し的確な方針を決定したり、場合によっては緊急で往診する判断をしなくてはならないものもあるため、絶えず目を通しておく必要があります。

私は企業での勤務時に同じような経験をしていましたので慣れてはいたのですが、なかなか大変で驚きました。
しかし、こうしたツールを通じて各職種が密に連携出来ることは、訪問診療という診療形態において非常に大きなメリットになっていると感じます。

訪問診療は医療DXの最先端

DX時代の医療において、クラウド型電子カルテやチャットといったデジタルツールの活用は、今後様々な現場で一層進んでゆくことと思います。
その中でも訪問診療は、DXの長所を非常に上手に活かすことが出来ており、時代の最先端を行っていると感じます。
これからも、ますます多様化するDXサービスを上手に活用しながらも、原点である医学知識や技術の向上を忘れずに、より良い医療を提供していけたらと思います。
最後までお読み頂き、誠にありがとうございました!

髙橋 秀行
この記事の執筆者
あい駒形クリニック 医師

髙橋 秀行 (たかはし ひでゆき)

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