皆さん、こんにちは。
最近夏野菜ばかり食べています、あい駒形クリニック常勤医の高橋秀行です。
今回は、日々の訪問診療で出会う患者さんの人生の軌跡と奇跡、そして奇蹟をご紹介する「出会いのキセキをいつくしむ」シリーズです。第2回は、手作りのアトリエで過ごす、とある画家さんの物語です。
当院で訪問診療させて頂いている太郎さん(仮名)は、もともと建築系のお仕事に携わる傍ら、画家としても長年活動されてきました。現在は、自ら手掛けられた御自宅を拠点に、画家としての活動に専念されています。

御自宅にお伺いするとまず、綺麗に手入れされた植栽と、漆喰とレンガをあしらったオシャレなエントランスが目を引きます。御自宅にお邪魔すると、御自宅の外観にも通ずる地中海の町並みが描かれた絵画が、リビングに彩りを添えています。
太郎さんがプロの画家さんでいらっしゃることは事前にお伺いしていたのですが、実際に絵画を拝見しますと、その素晴らしさにしばし心を奪われてしまいました。体調が優れない時も、絵画の話になると途端に目を輝かせて色々なエピソードをお話してくださります。

絵画の題材になっているのは主にヨーロッパの街並みですが、なかでもスペインのアンダルシア地方の白い村の街並みを多く描かれています。絵を描かれるたびに取材旅行を行っているとのことで、これまでに何度もアンダルシア地方へ足を運ばれているそうです。
これまでに発表された絵画の写真を拝見すると、同じアンダルシア地方の街並みが毎回異なる表情を見せていることに驚かされます。アンダルシア地方に数ある白い村のなかでも代表的な観光地であるミハスはもちろん、空中都市ロンダや、旧市街の街並みで有名なフリヒリアナ等、実際に足を運んで描かれた作品の数々からは、街並みの美しさだけでなく、地中海の眩しい日差しの下で暮らす人々の穏やかな時間の流れが感じられます。

そんな素敵な作品の数々が生み出される手作りのアトリエもまた、本物の地中海の街並みに負けない素敵な空間です。手作りのアトリエで太郎さんが走らせる絵筆は、ジメジメとした群馬の夏の空気をはねのけて、カラッとして眩しい日差しが降り注ぐ、アンダルシアの夏の空気を連れてきてくれます。そんな太郎さんとの「出会いのキセキ」をいつくしみ、訪問診療を通じてアトリエでの創作活動のお手伝いしてゆきたいと思います。
最後までお読み頂き、誠にありがとうございました!