2025.08.20

耳鼻科往診|頭頸部がんのお話

皆さん、こんにちは。
夏休みも後半ですね。あい駒形クリニックの高橋秀行です。

本日は、頭頸部(とうけいぶ)がんについてお話ししたいと思います。

頭頸部がんとは

頭頸部がんは、口腔・咽頭・喉頭・鼻腔・唾液腺など、首から上の広い範囲に発生するがんの総称です。
日本人のがん全体の約3%を占め、年間約3万3千人が罹患しています。

前立腺がん、乳がん、大腸がん、肺がんといった上位のがんに比べると頻度は少ないものの、決して稀ながんではありません。治療は主に耳鼻咽喉科・頭頸部外科で行われます。

部位別では口腔がんが約27%を占め、下咽頭がん、喉頭がん、中咽頭がんが続きます。
従来は飲酒や喫煙に伴い発生することが多かった頭頸部がんですが、近年はヒトパピローマウイルス(HPV)感染に関連したHPV陽性中咽頭がんが増加傾向にあります。

海外では女児だけでなく男児にもHPVワクチン接種が広がっていますが、日本では接種率が他の先進国に比べ低く、今後中咽頭がんの増加が懸念されています。
行政が適切に対策を進め、ワクチンで防げるがんを減らすための施策が望まれます。

頭頸部がんと在宅医療

頭頸部がんは「食べる」「呼吸する」という生きる上で大切な機能に深く関わる部位に発生します。
そのため、治療後や進行期には在宅医療のサポートが必要となることがあります。

特に以下の課題がある患者さんの場合、訪問診療や訪問看護によるサポートが欠かせません。

頭頚部がんのよくある症状と在宅での対応

嚥下障害と栄養管理

嚥下機能が低下すると、飲み込みが難しくなり、誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。
言語聴覚士(ST)をはじめとした多職種での情報共有を行いながら、嚥下訓練や食形態の工夫、必要に応じて胃ろうなどの経管栄養を併用します。

疼痛のコントロールと口腔ケア

がんの痛みや治療後の痛みに対して、鎮痛薬によるコントロールが必要となることがあります。
同時に、口腔内の清潔を保つケアも欠かせません。

気道管理

頭頚部がんの病状が進行すると気道が狭くなり、気管切開などの気道管理が必要となることがあります。
この際、痰の吸引やカニューレ交換などの処置・管理では、訪問看護や訪問診療によるサポートが重要です。

ACP(アドバンス・ケア・プランニング)と頭頸部がん

頭頸部がんでは、病状が進むと「食べる」「呼吸する」といった機能が損なわれることがあります。

こうした選択は、患者さんの価値観によって答えが異なります。
元気なうちに、ご家族と十分に話し合っておくことで、いざというときの負担を大きく減らすことができます。

耳鼻科往診と頭頸部がん

当クリニックは耳鼻咽喉科専門医が常勤している訪問診療クリニックです。
そのため、県内の複数の医療機関から頭頸部がんの患者さんをご紹介いただいています。

頭頸部がん特有の合併症管理や気管カニューレの対応など、専門的知識と経験が求められる場面は少なくありません。
頭頸部癌の治療中・治療後で在宅医療を必要とされる方々のお力になれるよう、今後も努力を続けてまいります。

患者さんに寄り添った在宅ケアを心がけていきます

頭頸部がんは症状が多岐にわたり、患者さんやご家族の負担も大きい病気です。
耳鼻咽喉科専門医としての経験を活かし、患者さん一人ひとりに寄り添った在宅ケアを今後も心がけていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

髙橋 秀行
この記事の執筆者
あい駒形クリニック 副院長

髙橋 秀行 (たかはし ひでゆき)

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