2023.08.08

耳鼻科往診|耳の診察のおはなし

皆さん、こんにちは。

好きな食べ物はお寿司!あい駒形クリニックの高橋秀行です。

本シリーズでは、ブログ第1回でご紹介した、当院の「耳鼻科往診」について、もう少し詳しくご説明してゆきたいと思います。

今日は、耳の診察についてお話ししたいと思います。

意外に多い耳の悩み

耳鼻科で扱う疾患は多岐に渡りますが、耳鼻科往診では耳、鼻、のど、めまい、頸部などの診察を行っています。

すでに何度かご要望を頂き往診させて頂いておりますが、自分が考えていた以上に耳の悩み、特に耳あかの悩みが多いことに驚いております。

また、耳あか以外でも、耳だれや難聴、耳鳴り等、耳関連のご相談を多く頂いております。

耳の悩みというのは、心臓や脳の病気のように直ちに命に直結するような緊急を要するものではないためか、耳鼻科への受診が困難で我慢されている方が多いのだなと、改めて気付かされました。

当院で定期的に訪問診療を行っている方でなくても往診可能ですので、当院へご相談頂ければと思います。

耳の診察

さて、耳の診察は「問診」「視診」「検査」が3本柱となります。

問診

まずは問診。耳の診察というと、耳の視診や聴力検査を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は問診で得られる情報はとても大切です。

多くの場合は問診で鑑別診断を絞り込むことが出来ますし、問診で得た情報が診断の決め手になる疾患もあります。

例えば「耳の痛み」で受診した患者さん。

これが持続的な痛みで、鼻汁や咳等の感冒症状を伴う場合、急性中耳炎の可能性が高くなります。

感冒症状がない持続的な痛み、特に耳掃除のエピソードがある場合は外耳炎の可能性が高くなります。間欠的な痛み、時々痛くなって自然に収まる場合は、耳の中を診ても異常所見がなく、神経痛に類する痛みの可能性が高くなります。

「耳の痛み」と問診票に書いてあった場合、問診を通じて上記の情報を得ることで、医師の頭の中ではある程度診断が固まっており、実際に視診を行うことで診断を裏付けています(例外はありますが)。

このように、耳の診察をする上で問診は欠かすことの出来ない大黒柱なのです。

訪問診療という限られた条件下では、問診の重要性はさらに高いと言えます。

視診

次に視診。実際に視ることで、問診から導いた診断の答え合わせを行います。

耳の視診を受けたことのある方は、耳の中に金属の筒を入れられたり、内視鏡を入れられた経験があると思います。

耳鼻科医が耳を視る場合、まずは耳介から外耳道(耳の穴)入り口付近の状態を視た後に、耳鏡を外耳道に挿入し外耳道内から鼓膜の観察を行います。

こうした観察によって、耳あかの有無や外耳道の腫れや赤み、鼓膜の炎症の有無など、多くの情報を得ることが出来ます。

耳の検査

最後に検査。耳鼻科で行う耳の検査といえば、聴力検査です。

聴力検査を通じて、聴力はもちろんのこと、中耳の状態や長期間の騒音曝露の有無など、様々な情報を得ることが出来ます。

聴力検査では、聴力の程度を左右別々、音の高さ別に調べるだけでなく、気導聴力・骨導聴力と言って、ヘッドホンから鳴らす音・骨に振動を伝えて鳴らす音を別々に評価することで、耳の穴から内耳に音が伝わる経路に異常がないかを知ることが出来ます。

さらに、聴力型といって聴力低下のパターンを知ることで、聴力がどのような原因で低下しているかを類推することも出来ます。

例えば、低い音優位の難聴であればメニエール病、高い音優位の難聴であれば加齢性変化といった具合です。

残念ながら当院では訪問診療下での聴力検査は出来ませんが、今後ご相談があれば検討してゆきたいと思います。

耳鼻咽喉科の役割

耳鼻咽喉科は聴覚、嗅覚、味覚、発声といった、人間が生きてゆくうえで重要な感覚や機能を多く扱う診療科です。

どれもQOL(Quality Of Life)に直結する重要な部分だけに、耳鼻咽喉科医の果たす役割も大きいといえます。

今後、耳鼻科往診を通じて耳の悩みをお持ちの患者様のお手伝いが出来るよう、精進してゆきたいと思います。

耳鼻科往診の解説シリーズ、今後も続けてゆきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

髙橋 秀行
この記事の執筆者
あい駒形クリニック 医師

髙橋 秀行 (たかはし ひでゆき)

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