2024.06.12

あい駒形クリニックの訪問診療|走って感じた日本のこれから

皆さん、こんにちは。
ジョギングが日課、あい駒形クリニックの高橋秀行です。
本日は、私の趣味であるマラソンを通じて感じた、日本のこれからについてお話したいと思います。

柏崎潮風マラソンに参加しました

私はマラソンが趣味なのですが、毎年必ず参加している大会があります。
新潟県柏崎市で毎年5月に開催される、柏崎潮風マラソンです。
海沿いの公園からスタートして山間の田園地帯を登ってゆき、21km登ったところで折り返して戻って来る、全国屈指の難関コースを誇るフルマラソンです。
アップダウンのある難関コースが本大会の大きな魅力で、毎年少数精鋭のエリートランナーが集まりハイレベルな戦いを繰り広げます。

風光明媚な初夏の田園風景や、沿道の地域住民の皆様のとても温かい応援の数々もまた、本大会の大きな魅力です。
キツいコースだけでなく、風景や応援がとても好きで、毎年参加しています。
しかし、今年はいつもとは違ったことを考えながら約4時間走って来ました。

それは、地域医療です。

柏崎市医療圏の現状

沿道で応援してくださる方々のかなりの割合がご高齢でいらっしゃるのは以前から気付いておりましたが、地方都市の田園地帯ということで特に深く考えておりませんでした。
しかし今回、訪問診療に携わる医療者として山中のコースを駆けてゆくうちに、山中にまばらに点在する住宅に住まわれている高齢者の皆様の医療アクセスの現状や、在宅療養支援診療所の有無、高齢化率等が気になってきました。

そこで、マラソンを満喫したのちに、柏崎市医療圏の現状を調べてみました。

柏崎市医療圏の人口と高齢化率

こちらが柏崎市医療圏です。

柏崎市医療圏(赤枠内)

柏崎市の2020年時点での人口は81,526人、高齢化率は33.8%と、全国平均の28.6%を上回ってお
り、3人に1人が高齢者という状況です。

柏崎市の将来推計人口

柏崎市 将来推計人口

将来推計人口をみると、2050年には50,000人程度まで減少すると予想されており、特に65歳未満の人口の減少が顕著であることがわかります。

柏崎市の医療介護需要予測指数

柏崎市 医療介護需要予測指数
(医療介護需要予測指数:医療・介護への需要が、将来どのように変化するかを推計したもの)

医療介護需要予測指数を見ると、高齢化が進んで需要の増加が見込まれるのかと思いきや、今後医療需要は右肩下がりに減少し、介護需要も2030年をピークに減少に転ずると予想されています。
これは高齢者の割合は増加する一方で、高齢者の数自体は人口の推移に伴って減少してゆくことが一因と思われます。

民間の有識者グループ「人口戦略会議」の分析で、全国の4割にあたる744の自治体が将来的に消滅する可能性があるとされています。
上記の医療需要、介護需要の減少予測は、高齢化が進むだけでなく、人口そのものが減少してゆく日本国の明るくない未来を垣間見た気がしました。

柏崎市の医療

柏崎市の医療資源(一般診療所、在宅療養支援診療所)

最後に、医療の状況を見てみたいと思います。
一般診療所(クリニック)は人口10万人あたり52件と全国平均の72件より少なく、在宅療養支援診療所は人口10万人あたり6件と、全国平均の約半分という状況のようです。
柏崎市で訪問診療を行っている診療所についてインターネットで検索してみましたが、当クリニックのように訪問診療に特化して大規模運営している施設の情報は、残念ながら見つかりませんでした。

社会の変化に応じて医療も変化してゆく

我が国では高齢化と国民医療費の高騰が叫ばれて久しいですが、高齢化に伴って医療・介護需要が右肩上がりに増加してゆくのかと思いきや、地方都市では人口減少という大きな波に飲み込まれて、むしろ需要は減少する方向にあるという事実を、まさかのマラソンをキッカケに今回実感することになりました。

今後、社会の規模が縮小してゆくなかで進んでゆく高齢化と、生産年齢人口の減少。
医療システムも、社会構造の変化という波に応じて、ますます大きな変化をむかえてゆくことと思います。
実際、数年前には考えられなかったことですが、現在様々な薬の流通が滞り、処方したい薬を処方出来ないという状況が当たり前になっています。
今後、医療サービスや福祉サービスを当たり前のように享受出来ない時代に備えて、社会全体で対策を急がねばならないと、強い危機感を覚えています。

さて、楽しいマラソンから始まって暗い話になってしまいましたが、あい駒形クリニックのある前橋市医療圏は在宅療養支援診療所の数が全国平均の倍以上という、訪問診療激戦区です。
競う仲間に負けないよう、これからも常に真摯に在宅医療に向き合ってゆきたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

出典:日本医師会 地域医療情報サイト

髙橋 秀行
この記事の執筆者
あい駒形クリニック 副院長

髙橋 秀行 (たかはし ひでゆき)

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