2023.11.21

耳鼻科往診|首の診察のおはなし

皆さん、こんにちは。

とにかく寒さに弱い、あい駒形クリニックの高橋秀行です。

本シリーズでは、これまで何度かご紹介している当クリニックの「耳鼻科往診」について、詳しくご説明してゆきたいと思います。

今日は、首の診察についてお話したいと思います。

耳鼻科は首も診る科です

皆さんは首の調子が悪い時、何科にかかりますか?

首が痛い、首がこる、等の症状であれば整形外科、首が腫れているといった症状であれば内科かもしれません。

耳鼻科は頭頚部外科医です

実は耳鼻科も、首を診る診療科です。

耳鼻科のメインの学会は「日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会」であることからも分かる通り、実は耳鼻科医は病院では頭頸部外科医という、首(頸部)を扱う外科医なのです。

私も病院勤務時代は頸部の手術を執刀していました。

頸部を診る科

頸部という部位は、人の生命維持に関わる様々な臓器が密集した部位です。

このため、診る臓器によって、診療する科が異なります。

耳鼻科医が診療対象とするのは、唾液腺・リンパ節・甲状腺等が主です。

頸動脈であれば循環器内科や循環器外科、頸椎や筋肉であれば整形外科、甲状腺であれば耳鼻科以外に内分泌内科や内分泌外科といった具合に、耳鼻科以外にも様々な診療科が頸部の診療に携わっています。

自覚症状

首(頸部)に関する症状で耳鼻科へ受診される方は、みみ・はな・のどに比べてずっと少ないですが、ご相談が多いのは「首が腫れている」「何か出来ている」といった症状です。

原因として頻度が多いは、炎症に伴って生じるリンパ節の腫れです。

痛みや発熱、圧痛(押されると痛む)、左右対称で腫れる等の特徴があります。

また、耳下腺や顎下腺等の唾液腺に感染を起こすこともあり、特に御高齢で口が乾きやすい方に多く見られます。

耳の下や顎の下が腫れて痛む、口の中に排膿する等の特徴があります。

こうした感染に伴う症状以外では、唾液腺や顎下腺、甲状腺等の腫瘍や、腫瘍に伴うリンパ節の腫れ等を認めることもあります。

検査と治療

頸部の腫れの場合、問診や視診、触診に加えて外来やベッドサイドで簡便に施行出来るのが超音波検査になります。

頸部の解剖に熟知していないと正確な検査が出来ないため、耳鼻科医の腕の見せ所になります。

より客観的で詳細な検査となると、頸部のCT検査やMRI検査等になります。

こうした検査の結果も踏まえて方針を決定することになりますが、感染等による炎症が疑われる場合は、抗菌薬や抗炎症薬による治療を行います。

一方、腫瘍性の疾患が疑われる場合は、詳細な画像検査に加え、穿刺吸引細胞診といって、細い針で腫れている部位の細胞を採取し顕微鏡で評価し、推定診断を行います。

推定される診断の結果により、手術や投薬等の治療方針を決定します。

耳鼻科往診における頸部の診察

当クリニックの耳鼻科往診では、頸部の腫れ等の症状を認めた場合、問診・触診・視診に加えて、専門医による超音波検査も施行可能です。

診察の結果、感染症や炎症によるものが疑われた場合、内服薬の処方や、必要であれば訪問看護ステーションと連携し点滴治療を行うこともあります。

腫瘍性の病変が疑われた場合は、原則的には病院での精密検査をお勧めさせて頂く形となります。

クリニックで対応出来る範囲には限りがありますが、今後も耳鼻科往診を通じて頸部の腫れ等の症状に対応していきたいと思います。

耳鼻咽喉科は聴覚、嗅覚、味覚、発声といった、人間が生きてゆくうえで重要な感覚や機能を多く扱う診療科です。

どれもQOL(Quality Of Life)に直結する重要な部分だけに、耳鼻咽喉科医の果たす役割も大きいといえます。

今後、耳鼻科往診を通じて頸部の悩みをお持ちの患者様のお手伝いが出来るよう、精進してゆきたいと思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

髙橋 秀行
この記事の執筆者
あい駒形クリニック 医師

髙橋 秀行 (たかはし ひでゆき)

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