先月の野末理事長のメルマガに、「あい友会の原点を語る」というタイトルで昔のことが書かれていました。
野末理事長と二人で撮った懐かしい写真などあり、自分も少し当時のことを思い出したので、これまでのことを書いてみたいと思います。
自分が訪問診療に関わり始めたのは、初期研修1年目からでした。
患者さんに病院で接している時よりも、在宅での方が「この人はこういう風に生きているんだ」ということが自宅やご家族の雰囲気から見てとれて、これは面白いなと感じました。
その後、約20年の病院勤務を経て、縁あって野末理事長からあい友会に誘われ、あい太田クリニックに入職しました。
自分で望んで飛び込んだ訪問診療の世界でしたが、野末理事長は背が高くて威圧感もあって怖そうだし、事務職員は口数少なくクールだし、看護師は自分のお目付け役(と勝手に思っていた)で、最初は緊張の日々でした。
「自分がやっている医療は本当に正しいのか」などと、疑心暗鬼になったこともありました。
時間の経過と共に少しずつ周りが見えてきて、野末理事長も事務の人も看護師さんも決して怖くなく、むしろ心の温かい人たちだとわかるようになってきました(気づくまでに時間がかかってごめんなさい)。
病院勤務時代の日々は忙しく、また患者さんにできることは、主に病院の中だけのことになるため、自分の中でどこか燃えきらない部分があったのかもしれません。
あい太田クリニックに入ってから、色々な患者さんがいる中で、病院では知ることのなかった、病気以外の様々なことに困っている人たちと出会いました。
当時、特にお世話になったのが、あおい訪看さんで、看護師として積極的に患者さん宅に行き関わっていくというスタンスを目の当たりにし、自分もやりがいのある仕事に就けたんだなという実感が湧いてきました。
その後、時間が経って役職がついたりして、逆に自分自身が困って胃が痛くなる時も正直ありますが、そんな中でも訪問診療って面白いな、と思う気持ちは変わっていません。
今現在、あい駒形クリニックの院長として、主に前橋市や伊勢崎市の患者さん宅に伺っています。
ご本人やご家族とお話しして同意を得ながら方針を決めていき、その治療がうまくいったりとか、「来てくれて本当にありがとう」という言葉をいただいたりした時など、やっぱり頑張ってきてよかったという気持ちになります。
うまくいかないこともありますが、その中で学んだことを次に活かしていけたらと思っています。
そして、あい駒形クリニックのスタッフには「訪問診療はやりがいがあるよね」「患者さんやご家族と付き合うってやっぱり楽しいよね」「自分たちの仕事は人のためになっているよね」という気持ちを持ち続けながら働ける、そういう環境を全力で守っていきたいなと、心に誓う毎日です。