2025.06.03

耳鼻科往診|難聴のお話

皆さん、こんにちは。
最近お酒を控えたら3kg痩せたのに、アメリカ出張で暴飲暴食しリバウンドしました、あい駒形クリニックの高橋秀行です。
本日は、難聴のお話です。

難聴の原因は多岐に渡る

以前に補聴器のお話でお伝えしたように、聴覚を用いる動物にとって「聞く」という能力は、生存に欠かせない能力の一つです。
我々ヒトにおいても同様で、聴覚は五感と呼ばれる人間が持つ重要な感覚の一つですので、耳の診療は耳鼻科の中でも大きな柱となっています。

難聴は、そんな聴覚に異常を来した状態を指します。
難聴の原因は多岐にわたり、治療法も投薬、手術、補聴器など、疾患によって異なりますので、難聴の原因や病態を正しく診断することは、難聴の診療においてとても重要です。

耳の構造と働き

ヒトの耳は大きく分けて、外耳・中耳・内耳に分類されます。
外耳は耳介(耳たぶ)や外耳道(耳の穴)、中耳は中耳腔(鼓膜の奥にある空洞)の中、内耳はさらに奥の側頭骨の中にある構造を指します。
外界から空気の振動として伝わった音は耳介で集められ、外耳道を通じて鼓膜に伝わります。
音により振動した鼓膜の動きは、その奥にある耳小骨という小さな3つの骨を通じて内耳に伝わり、ここで音の振動が電気信号に変換されます。
電気信号となった音は内耳神経を脳へ伝わり、ここで初めて「音」として認識されます。
このように非常に多くのプロセスを経てヒトは音を認識していますので、どこに問題が起きても難聴が引き起こされます。

小児の難聴

小児であれば、難聴のほとんどを中耳炎が占めています。
中耳炎というと、子供の頃にかかったり、お子さんがかかった経験をお持ちの方は多いと思います。
中耳に生じた炎症により音が内耳まで上手く伝わらないことで、一時的に聴こえが悪くなります。
中には反復したり、なかなか治癒せず手術を必要とするケースも経験しますが、多くは成長と共にかかりにくくなります。
また、稀ではありますが先天性難聴という病気もありますので、新生児聴覚スクリーニングで発見し早期から補聴器を装用することが、言語獲得のために非常に重要です。

高齢者の難聴

高齢者であれば、加齢に伴って生じる難聴は広く知られているところかと思います。
個人差はありますが、加齢とともに徐々に聴覚は低下してゆきます。
残念ながら薬や手術で治すことは出来ないので補聴器を装用頂くことになりますが、進行してくると補聴器の効果も限定的になります。
一方で補聴器もデジタル化され年々進歩していますので、今後の補聴器の進化に期待したいと思います。

加齢以外の成人の難聴

加齢に伴う難聴以外に成人で難聴を来す疾患は、多岐に渡ります。
比較的有名なのは突発性難聴かもしれません。
ある日突然耳が聴こえなくなる病気で、色々な原因があるとされていますが、原因が特定出来ることは稀です。
このため治療法も確立されておらず、経験的にステロイドホルモンの投与が広く行われていますが、メタアナリシス(統合解析)では有効性が証明されていません。
他にも、高気圧酸素療法や鼓室内ステロイド注入など様々な治療が試みられていますが、残念ながらこれをすれば治る、といった治療法がないのが現状です。

また、突発性難聴のような急な難聴とめまいを反復するメニエール病という病気や、音響外傷や騒音性難聴といった大きな音への曝露で生じる難聴、耳管狭窄症や耳管開放症といった耳と鼻の空気の通りの問題で生じる病気、慢性の中耳炎で鼓膜に穴が開いてしまうケース、聴神経腫瘍という脳腫瘍など、聴こえに影響を及ぼす疾患は多岐に渡ります。
自分で気付く場合もあれば、検診で初めて指摘されることもあります。
行ってみたら単に耳垢が詰まっていただけだったということも少なからずありますが、全例が耳垢ではありません。
聴こえの悪さ・音の聴こえ方がいつもと違う等の症状を自覚した場合は早めに耳鼻科を受診いただくこと、検診で難聴を指摘された場合は必ず耳鼻科を受診することを、お勧めしたいと思います。

在宅における耳鼻科診療

当クリニックの耳鼻科往診では、耳の診察や耳垢除去等の簡単な処置のみで、聴力検査を行うことが出来ないため、難聴に関する詳しい評価は残念ながら出来ません。
それでも耳往診を続けていて在宅医療特有だなと感じるのは、高齢者の頑固な耳垢や、外耳道真珠腫といって耳の穴の骨を溶かしてしまう耳垢もどき、運動ニューロン疾患で人工呼吸器を装用されている方の滲出性中耳炎などです。
耳鼻科受診が難しい方ばかりですので、在宅での処置で聴こえを改善し喜んで頂ける事に、大きなやりがいを感じています。

「耳に届け」ピアノ演奏を行なっています

最近では新しい試みとして、耳鼻科診察とピアノ演奏をセットにした耳鼻科往診「耳に届け」を実施しています。
今後も患者さんのニーズに応えるべく、活動を継続してゆきたいと思います。
みみ・はな・のど・首の症状で専門医の往診をご希望される方は、どうぞお気軽に当院までご相談頂ければ幸いです。

耳鼻科往診の解説シリーズ、今後も続けてゆきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

髙橋 秀行
この記事の執筆者
あい駒形クリニック 副院長

髙橋 秀行 (たかはし ひでゆき)

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