皆さん、こんにちは。
クリニックのデスクの上に小さなだるまを置きました、あい駒形クリニック常勤医の高橋秀行です。
日々の訪問診療で出会う患者さんの人生の軌跡と奇跡、そして奇蹟をご紹介する「出会いのキセキをいつくしむ」シリーズ。
今日は、当クリニックが訪問している高齢者施設にあるグランドピアノにまつわるお話です。
趣味でピアノを弾いています
突然ですが、私はピアノを趣味で弾きます。
といっても習ったこともなく完全に独学なので、弾くというより、鍵盤を押して音を鳴らす、と表現したほうが正しいと思います。
基礎はなってない、運指もめちゃくちゃ、楽譜通りに弾くのは大変、黒鍵が入ると弾けないのでハ長調/イ短調限定、というようなお粗末なレベルです(笑)。
そんな具合で技術的には非常に未熟なのですが、音感だけは自信があり、聴いたことのある曲であれば、ピアノでどうにか再現することが出来ます。
ですので、その時の気分で弾きたい曲を、思いつくままに弾いています。
しかしながら、家には電子ピアノしかなく、生ピアノに触れる機会はあまりありません。
幸い最近はストリートピアノがあるので高崎駅などに弾きに行くのですが、ストリートピアノはアップライトピアノばかりで、グランドピアノに触れる機会はほとんどありませんでした。
訪問先で出会った素敵なピアノ
そんな中、最近になりグランドピアノに触れる機会に恵まれました。
当クリニックが訪問している介護付有料老人ホーム 藤和の奏さんの食堂に、とても立派なグランドピアノが設置されているのです。
とはいえ、弾かせてくださいと図々しいお願いをするのも躊躇われ、遠巻きに眺めるだけの日々が続いていましたが、施設職員さんとの会話の流れで、先日ついに弾かせて頂く機会を得ました。
グランドピアノを弾いたのは、おそらく高校生以来だったと思います。
強弱や和音の組み合わせ方でオーケストラのように多様な表情を見せてくれる音色は、長らく忘れていたグランドピアノの素晴らしさを私に思い出させてくれました。
しかしグランドピアノの音色よりも驚いたことがありました。
それは、短時間の演奏であったにも関わらず、多くの入居者さんが集まってくれたことです。
素人のお粗末な演奏にも関わらず、皆さん目を輝かせて聴いてくださり、リクエストしてくださったりと、とても温かく迎えてくれました。
それまで完全に自分の自己満足でしかなかったピアノ演奏が、下手なりにも誰かの心に届いたことに驚くと同時に、こうした小さなイベントでも入居者さんの一時の愉しみになるということに気付かされました。
施設職員さんも私の演奏を喜んでくださり、是非また弾いてくださいと仰ってくださったため、先日クリスマス・イブに訪問した際は、きよしこの夜などを4曲ほど披露させて頂きました。
この時も多くの入居者さんや施設職員さんが集まって耳を傾けてくださり、温かいひと時を過ごすことが出来ました。
私達訪問診療医の出来ることは限られていますが、お薬だけでなく「音楽」を処方するという新しい試みを、医師兼ミュージシャンである私ならではの取り組みとして、今後拡げていければと良いなと思った出来事でした。
最後までお読み頂き、誠にありがとうございました!




