2024.05.21

海外に住むという経験|日本を再発見!

皆さん、こんにちは。
狙っていた服が発売日に売り切れてしまいゲット出来なかった、あい駒形クリニックの高橋秀行です。
本日は、訪問診療から離れた話題をお届けしたいと思います。
今日の話題は「海外に住む」です。

以前に本ブログでご紹介した通り、私はカリフォルニア大学で博士研究員として勤務していました。
このため、米国カリフォルニア州サンディエゴに2年半住んでいました。
今日はその経験を経て得た気づきについてお話したいと思います。

「海外に住む」という経験

皆さんは、海外に住んだ経験はありますか?
私は30歳を過ぎるまで、自身がまさか海外に住むことになろうとは、夢にも思っていませんでした。
それどころか海外旅行経験も少なく、韓国に1回、アメリカへ1回だけ。私の家族に至っては未だに海外旅行経験がありません。
そんな調子だったので、本当に人生というのはつくづく分からないものだなと思います。

海外に住むということは、一方で日本という社会から離れるということを意味します。
海外に住むこと自体が大きな経験ですが、日本という国、日本という社会、そして日本民族を客観的に捉える機会を得たことも、私にとっては非常に大きな経験でした。
結論から言えば、私には日本よりアメリカでの生活のほうが合っていると感じました。
これはあくまで自分の性格に合っているだけで、どちらの国の生活にもメリット・デメリットがあります。
しかし、それまで日本という社会でしか暮らしたことがなかった自分にとって、別の社会で心地よい居場所を見つけられたということは、とても大きな驚きでした。

日本はとても特殊な地域

私が海外生活を通じて日々感じていたのは、日本は地政学的にも、歴史的にも、民族的にも、非常に特殊な地域であるということです。
日本はアジアの東の端、つまりヨーロッパから見て東の地の果てに位置し、一方でアメリカから見れば太平洋を横断した海の果てに位置する、小さな島国です。
日本を中心に作成された世界地図に目が慣れていると、日本が世界の中心に位置しているような錯覚に陥りますが、世界の中でも地政学的に大きく隔てられた地域であるということを、カリフォルニアの海岸から太平洋の彼方にある母国に想いを馳せるたびに感じていました。

きわめて長い歴史

また歴史的に見ても、日本民族を中心とした国家として、極めて長い歴史を持つのが日本国です。
「ガラパゴス化」という言葉がありますが、日本ほどガラパゴス化した文化圏は世界でも類をみないのではないかと、日本を離れてみて感じるようになりました。
私が生活したアメリカ合衆国は、建国からの年月が日本よりずっと短く、世界中から多様な民族や文化が常に流入する、極めて多様性に富んだ若い社会です。
そういった環境で暮らしてみると、日本民族が大陸から隔てられた島国で、時には鎖国までしながら悠久の年月をかけて育んできた文化や社会が、いかに特殊で稀有なものかを、日々実感せずにはいられませんでした。

前橋市にある名所 臨江閣(©前橋観光コンベンション協会)

特殊で複雑な言語

では日本の文化の何がそんなに特殊で稀有なのかと言われると、やはり最たる例は「日本語」という言語だと思います。
日本語は漢字や平仮名、カタカナが入り混じり、同じ発音でも本当に沢山の意味のバリエーションがあり(例:ご=語、碁、五、後etc.)、使える場所はほぼ日本のみ、敬語や謙譲語など様々バージョンがある等々、非常に特殊で複雑な言語ではないかと思います。
英語圏で日々英語のみを用いて生活するまでは、日本語について考えを巡らせる機会など全くありませんでしたが、日本を離れてみてこそ気付くことの出来る日本の大きな特徴は、日本語であると思います。

その一端を感じたのが、私の子供が言った「漫画は日本語で読みたい、英語で読むとキャラが分かりにくい」という言葉でした。
私も言われて初めて気付いたのですが、例えば相手を呼ぶときのセリフ一つ取っても、日本語であれば「オメエ」「貴様」「おまえ」「アンタ」「テメエ」「おぬし」等々、非常に多様なバリエーションがありますが、英語であればほぼ「you」一択で、日本語ほどの多様さはありません。
漫画という文化が日本において発展した理由の一つに、こうした日本語の複雑さとの相性が良かった点もあるのだろうと、勝手に想像しています。

災害の多さ

また、日本の特殊さとして離れてみて気付いたのは、日本は非常に災害の多い地域であるということです。
日本では多くの人命を奪う地震や豪雨などの災害が日常的に発生しており、その現実を受け入れたうえで我々は生活しています。ですがカリフォルニアという災害の少ない地域での生活に慣れると、日本のニュースが日々災害の話題であふれているのを見て、日本という地域の特殊性を感じずにはいられませんでした。
避難訓練や助け合いの文化といった、自然環境の厳しさを受け入れて冷静に対応する能力もまた、日本文化に組み込まれているのだなと、離れてみて感じた次第です。

再発見した日本の魅力

地の果て/海の果てにある島国で、日々自然災害に立ち向かいながら、日本語という独自の言語を発展させ、長い年月をかけて独自の文化を築き上げた国、日本。
その日本での生活を当たり前に享受していると気付きにくい特殊性や稀有な価値を、離れてみて感じることが出来たのは、本当に良かったと思います。
そんな日本が、海外旅行先として外国人の目に魅力的に映るのは当然だと感じます。

冒頭で「私にはアメリカでの生活のほうが合っている」と書きましたが、寿司やラーメン、医療アクセスの良さ等、日本の好きなところも枚挙に暇がありません。
日本に暮らす日本人の一人として、日本文化を支えてきてくれた諸先輩方への感謝の気持ちを持って、これからも日々の診療にあたってゆきたいと思います。

「海外に住むという経験」シリーズ、今後も不定期で続けてゆきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

髙橋 秀行
この記事の執筆者
あい駒形クリニック 医師

髙橋 秀行 (たかはし ひでゆき)

院長ブログ

あい駒形クリニックの院長中村がブログをお届けします。

クリニックブログ

あい駒形クリニックのスタッフがブログをお届けします。

データで見る

あい友会の各種データをご覧いただけます。

実績紹介

あい駒形クリニックの診療実績をご紹介します。

メディア掲載

あい駒形クリニックのメディア掲載実績をご紹介します。

電話問い合わせ 問い合わせ