こんにちは。あい駒形クリニック院長の中村です。
当クリニックが取り組む前橋地域の災害対策を通して、台湾の在宅医療クリニックの先生と交流する機会がありましたのでご紹介いたします。
台湾の在宅医療を学ぶ
台湾で在宅医療に取り組まれている都蘭診所の余尚儒先生ご夫妻があい駒形クリニックにお見えになりました。(都蘭診所 Facebookページ)
クリニックブログでも書かれている通り、お二人とは札幌で開催された第8回日本在宅医療連合学会でご縁ができたもので、その流れでご夫婦で当クリニックを見に来てくれました。
学会でつながったご縁でしたので、当日は事務部長が見栄を張ってこれまで当クリニックのスタッフが学会で発表してきたポスターを壁一面に貼ってお迎えしました。

台湾では「在宅入院」という仕組みが制度化されており、在宅でありながら病院並みの医療を提供できる体制が整えられています。
余先生もご自身の診療所でそれを実践されているとのことでした。
日本でも「在宅で対応できる医療はできる限り在宅でやっていく」という流れがありますし、私たちもそうした考えのもとで日々の診療にあたっています。
当クリニックの取り組みを紹介する中で、嚥下内視鏡検査は余先生も実施されているものの、電気メスを用いた褥瘡切開は台湾ではまだあまり行われていないなどの話もあり、お互いの現場での工夫について色々と意見を交わすことができました。

海外出身の患者さんとお話することはありますが、海外で在宅医療に取り組まれる医師と話すことは非常に稀なので、とても有意義な機会でした。
一方で、国は違っても共通の大きな課題となったのが、「大規模災害が発生した際、在宅療養中の患者さんをどう守るか」ということです。
実は、今回の余先生との出会い自体も、この災害対策に対するお互いの問題意識がきっかけでつながったものでした(このあたりの経緯は、ぜひ当クリニック看護師の髙橋が書いたスタッフブログをご覧ください)。
前橋地域の災害対策を考える
在宅医療における災害対策は、患者さんやご家族はもちろん、現場に関わる医療・介護の多職種にとって切実なテーマです。
先月末に、前橋市保健予防課難病支援係が主催する災害対策研修会で、当クリニック看護師の髙橋が講師を務めました。

当日は本当に多くの方にご参加いただき、地域の皆さんの関心の高さを実感しています。
髙橋看護師はD-MATやARROWS(NPOが運営する災害支援チーム)の隊員としても活動しており、当日はこれまで被災地支援で直面した実態を共有しながら、災害時に地域の在宅医療を守れる体制を関係者で知恵を出し合って作っていきたい旨をお伝えしました。
今後、興味を持っていただいた方々と一緒に定期的な意見交換会を開催し、問題意識の共有や対策の検討を行っていく予定となっています。
ご興味のある方はぜひお気軽に当クリニック事務部長の内田までご連絡ください。
また、当クリニックはこの度「在宅医療・ケアにおける地域BCPベースのサージキャパシティ対応に関する研究」*のモデル地域の公募に申請し、採択されました。
(*在宅医療・ケアにおける地域BCPベースのサージキャパシティ対応に関する研究 / 一般社団法人 コミュニティヘルス研究機構)
これから約2年半かけて、前橋市や関係各位の皆さんと共同で前橋市の在宅医療BCP策定に取り組んでいくことになります。
具体的な内容は今後改めて共有したいと思いますが、熊本地震や千葉豪雨をはじめとする大きな災害を目の当たりにするにつれ、災害対策は待ったなしであると痛感しています。
医療機関や行政機関だけではなく、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所、調剤薬局、介護施設の皆さんとの連携があってこそ、安心して在宅療養ができる地域づくりが可能になります。
私たちも微力ながら貢献できるよう力を尽くしてまいりますので、今後ともご協力のほどよろしくお願いいたします。


